この商品、開発会議でもめに、もめました。
ネーミングで…
エンジンマウント(強化スペーサー)にするか、ミッションブッシュセットにするかです。
当社の変態クルマオタクおじさん達が集結する開発会議では、入社間もない昔の話とはいえ、トーコンキャンセラーを「闘魂キャンセラー」と伝票に書いた過去を持つ私は知識ではかなうはずもなく、今回も「あれはミッションケースに直結している部品だし、効能も考えればミッションブッシュという位置づけだ!」といわれると、小声で「世間的にはエンジンマウントなのに… そのほうがわかりやすくて売りやすいのに… ブツブツ…」と抵抗するのが精一杯でしたがあえなく撃沈。
ホームページでもさがしにくいよ~。やっぱエンジンマウントに名前変えようよ~
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/reinforcement/rein_mb
軽自動車のエンジンマウント(わかりやすいので、エンジンマウントとココでは呼びます)は非常に柔らかく、大きな隙間があります。静粛性、快適性、車によっては衝突安全対策などの理由でしょうけれど、これによってのレスポンスの遅れは正直いなめないでしょう。
とはいえ、このエンジンマウントを丸ごと、強化で作ることができる環境にあるのは、自動車メーカー直結かそれに準ずるようなTRD、NISMO、無限さんなどでしょう。純正のラインや工場で「おい、ちょっとここから1000個はゴム硬度85度でよろしく!(あくまで想像、妄想)」といえばいいだけですからねえ。型代とかいらないんだろうなあ、ええなあ。
装着すると間違いなくレスポンスがあがると同時に、デメリットとして音や振動が伝わりやすくなります。当たり前です、メーカーさんは快適性のためにゴムをやわらかくしているのですから。チューニング=快適性とはおさらば=億単位の研究開発の金がかかった純正部品をデチューンする愚か者、ということですね、うんうん。鋼の錬金術師の「等価交換」ですな。改造バンザイ!
ちなみにこちらを装着したところ、アルトワークスはそれなりに伝わりやすいですが、NAのバンのほうがさらに音と振動がきつく入るようです。ボディの強度が違うらしいので、何か関係しているのでしょうね。先日紹介した、現在テスト中のS660のトルクロッドも、乗り心地や快適性をお求めの常識ある方々にはどうしましょうって感想が出ております。エンジン音や振動、さらにはマフラー音も入りやすくなり、まるで旧ビートに乗っているような快感だったと、変態ドライバーが涙を流して喜んでいたのですから。
さて、本題にもどりましょう。
純正系のメーカーさんは純正型を利用しやすいですが(推測ですが)、それが出来ないアフターパーツ業界では各メーカー、ショップさんが色んな努力と知識と技術を駆使してエンジンマウントの強化対策されています。一番メジャーなのは、以下3点。
●シリコンやゴム系素材を隙間に流し込む
アレックスさんが有名ですね。純正下取りがたいてい必要になるか、ワンオフなのでコストがそれなりにするなどはありますが、幅広い車種を対応できる魅力があります。個人で材料を買ってきてやると、すぐに剥離することが多いので要注意です。
●ワンオフで作ってしまう
形状によっては鉄板にカットしたゴムなどの組み合わせで出来ることもあります。ただ、やはりこれは高い… 当社でも510などの旧車用に作ったことがありますが、うげ~な値段です。
●強化品に抜き変え
パワーハウスDTMさんが有名です。軽自動車用のラインナップを幅広くお持ちで、レース用ウレタンと、ストリート用の強化ゴムをお持ちです。こちらも価格はそれなりにするのと、形状が丸で無いと難しいということがあります。
今回のアルトワークス用は、上記どれとも異なる方法で製作しました。専用形状のゴムスペーサーを挿入するという方法です。狙いはずばりコストダウン。アルトワークスだからたくさん走っていて、たくさん売れてくれるだろうという甘い狙いをこめて、たか~い型代を投資して、純正の隙間にきちっと入り込んで、落ちにくい形状にし、ちょっとスキルのあるユーザーなら自分で装着までできることを狙いました。純正側がメンバーで挟み込んでくれる形状なので、シリコンなどと違い脱落することはありません。
2枚の専用ゴムで「定価」で¥4,800-でーす。
高い?安い?いろんな意見があるでしょうが… こちらは高い型代はらっとるんじゃい!!!! 大量に作らないといけないんじゃい!!!! 売れなきゃ営業マンたちは社長にジャンピング土下座なんじゃい!!!!!
お願いです… 買ってください…
http://silkroad-jp.com/html/pdf/60L-I05.PF.pdf